蚊の無駄にでかいやつであるガガンボ
(イラストは本文と関係ありません)


2002年06月分
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第6週 6/30


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第5週

2002/6/23(日)
 23時入り、スカパー『WCJ』出演。今日の企画は「原博実アワーズ」。試合もなかったし、2時間たっぷり、原さんの世界に視聴者を誘(いざな)いたい。構成イメージはTBSラジオの「こども電話相談室」である。早い時間帯からじゃんじゃん視聴者に電話をつないで、そこから原さんのトークを展開する考え方。やっぱり、原さんは本当にサッカーが好きで、今回のW杯を楽しんできたんだな、という感じがスタジオ全体に広がり、心洗われるというか、最高に楽しい。いや、スペイン好きの原さんとしては昨日のゲーム、「納得はしてませんよ」と言いきる保留点もあるんだけど、W杯の暗部や不条理を見つめて、尚もその向こうにスポーツの輝きを見出そうとする、明確な意志を持っている。僕は原さんのそういうところが大好きだ。



2002/6/24(月)
 21時半入り、TBSラジオ『アクセス』出演。スペシャルウィークのゲストはみうらじゅんさん。思った通り、みうらさんはW杯について何ひとつ関心がない。今日のテーマは「10代のカップル旅行、是か非か?」みたいなやつだったんだけど、実感のこもった助平ネタを語らせると、みうらさんの右に出る人はいない。スタジオはほとんど飲み屋のような有様で、いや、ホント笑いました。

 24時50分入り、スカパー『WCJ』出演。既に番組は金子君MCではじまっていて、ゲストは水沼貴史さんと、『ワールドサッカーマガジン』の国吉好弘編集長。先々週に続いて、私服&ノーメイクでスタジオに駆け込む。最初、キャスター卓のはじっこ、金子君の席に座っていたので、僕がMC席に座ったのは番組後半の1時間ほど。何か気持ちがあせってたせいか、カバンをたすきがけにして首から下げたまましばらく番組を進行してしまった。それまでの流れがわかんないので内容的には散漫になってたんじゃないかなぁ。

 ひとつ、今日の昼間考えたことを水沼さん、国吉さんに聞いてもらった。いや、俺はそのことを考えて自分のなかで「韓国ベスト4」についてふっ切れたんだけど、昔見た『銀河鉄道999』のアニメなんである。その回、鉄郎とメーテルが訪れた星は泥棒のいない星で、風景としては建設ラッシュ、貧しいけれど皆、前向きに働いているところだった。細かいストーリーは忘れたけど、確か鉄郎が「機械の体」に変えてもらえる証明書を失くしてしまうんである。その星の人は誰も証明書を盗らなかった。「どうして誰も盗らないんだろう」と鉄郎は不思議に思う。松本零士が用意した、まぁ、その回のオチはこういうものだった。

 「自分の未来を信じている者は、他人のものをうらやましがったりはしない」

 結局、大会前に水沼さんが言ってくださったことだ。「代表を信じましょう」。冗談じゃないよ、うらやましかないよ。日本サッカーが築き上げてきたものを忘れちゃいけない。ホームの利があったとはいえ、W杯出場2大会めでベスト16進出だ。日本サッカーは前途洋々だぜ。



2002/6/25(火)
 23時入り、スカパー『WCJ』出演。ゲストは金子勝彦さん、『サッカーマガジン』伊東武彦編集長。何日か前、小牧さんから「金子さんが『WCJ』を御覧になったそうで、大変お誉めの言葉を頂戴した。是非、自分も出たい、言いたいことがある、とのことでした」と言われて、急拠、実現したゲストブッキング。何でもNHK批判らしく、そりゃ『三菱ダイヤモンドサッカー』の金子さんが放送批評してくれたら面白いだろうと思ったんだけど、結局、不発に終わる。何度か振りを作ってみたんだけど、あんまり具体的な話はなくて「中身がない」「たき火のセットがよくない」みたいなこと。偉い方なんで物凄く対応に苦労した。途中から伊東さんも交えて「このW杯はあのW杯か?」的な話。欧州のトップクラブの過密スケジュールを嘆いたり、W杯の将来を憂いたり。今日、大躍進・韓国がついに沈んだ。金子さんは前の番組からつながりで出演された形だったが、ドイツのユニホームを着ていて、それをTシャツに衣装替えされての独演会なのだった。



2002/6/26(水)
 23時入り、スカパー『WCJ』出演。しばらく前からニッポン放送の煙山光紀アナからFAXが届くようになり、当方としては番組がひろがる感じが嬉しいのと、間宮にひとコーナーあげて、読みのトレーニングをさせてやりたいので、「今日の煙山さん」というコーナーを番組冒頭に作った。FAX読みはラジオで慣れてるから、そりゃ僕が読んだ方が面白く伝わるんだけど、まぁ、チャンスがなければ上手くはなれないからな。間宮は悪いクセがついていて、僕やゲストの様子を見て放送開始2分前くらいにならないとキャスター卓につかないし、FAXも初見で読もうとする。ここしか現場を知らないから、僕が特別なタイプだってことがわからないんだ。10分前には少なくとも席について下読みしたり、コンセントレーションはかってるでしょう、普通の女子アナ。煙山さんは毎日FAX送んなきゃならないのが次第に仕事みたいに思えてきたらしく、一銭にもならないのにホントに申し訳ない。が、これは男と男の勝負だ。意地と意地のぶつかり合いだ面識はないけど。

 番組ゲストは原博実さん。好勝負になった準決勝「ブラジル×トルコ」を振り返る。敗れはしたが、トルコのサッカーを絶賛。実はこの試合、チケットあるよと声かけられてて、あんないい試合になるんなら行きゃよかったとホンのちょっと思ったけど、事前に断ったんである。『WCJ』見てくれてる人はホントにチケット手に入らないで苦労していて、申し訳ないなぁと思うし、それから嬉しいことに俺のことをマスコミの人間じゃなく、友達か何かだと思ってくれてるフシがある。皆と一緒にテレビ観戦だよ。だけど、埼スタ帰りの金子の顔見たときは後悔したかなぁ、素晴らしいサッカーだった。



2002/6/27(木)
 23時入り、スカパー『WCJ』出演。今日はトリプルゲストである。水沼貴史さん、風間八宏さん、それからライターの川端康生さん。冒頭いきなり「TBSとフジ、W杯中継どっちがエラい?というテーマでお送りするわけですが」等と振ってみる。他局の様子をオンエアで尋ねたりしているところが『WCJ』の得体の知れないところ。風間さんは夜帯、フジでがっちり押さえられててブッキングが難しい。水沼さんと風間さんはワールドユース東京大会組で、例えば風間さんは「貴史さん」と水沼さんのことを呼ぶ。そういう元選手同志の気心知れた空気が良かった。川端さんはワリを食ってしまうポジションだったけど、押さえのコメントみたいなところを上手くこなしてくれた。

 ラストのところで、前の番組に出てた日比野真理さんがスタジオに入ってきて急拠出演してもらう。日比野さんは10時間の生番組『どこよりも奥深いワールドカップスタジオ』とか、とてつもない出演時間をチャリティでもないのに連日こなし、僕は廊下やなんかでお見かけする度、「身体、大丈夫ですか?」とナンパ同然に声をかけてきた。今日はそのナンパが実った形。感動したのは僕が番組進行してると、自然にフォローして、アシスタント役をしてくれるんだよ。ああ、これが本来の姿なんだなぁ、こういう風に流れていくと楽だなぁと思う。間宮も隣りで見ていてホント勉強になったろう。



2002/6/28(金)
 23時入り、スカパー『WCJ』出演。ゲストは富樫洋一さん、水沼貴史さん。今日は誤審問題から富樫水沼両氏のビデオ論争に発展した。サッカーの審判制度にビデオ確認を導入すべきか否かという問題。富樫さんは積極的に試みてみるべきだという主張、それに対して水沼さんは試合の流れが止まってしまってサッカーには馴じまないという主張。僕はNHLを見たりしてビデオは万能ではない、という感想を持っていたのでそういう辺りをつけ加える。アメリカ発祥のスポーツが身近だった僕には、サッカーの目分量を重んじるところが新鮮なんである。考えたらこのテーマだったら青海放送センターきってのテレビ屋の論客、小牧次郎さんをスタジオに呼び込めば良かった。番組ラストのところで今日も日比野真理さんがスタジオにやって来る。ただ連日だと間宮の立場が微妙な感じになるので、昨日ほど気楽には扱えなかった。



2002/6/29(土)
 23時入り、スカパー『WCJ』出演。「韓国×トルコ」の3位決定戦を受けて、スタジオゲストはセルジオ越後さん、加藤久さんのお2人。加藤久さんの出演がとうとう実現。いや、正直なところやっぱり無理なのかなぁと思っていたのだった。3決は史上稀な好ゲーム。どちらもモチベーションが高く、見応えがあった。トルコが初めてハカン・シュキュルとイルハンの2トップを試し、これが抜群。電話ゲストのユンテジョさんに韓国の様子をうかがっていたら、テジョさんが突然スタジオに姿を現した。全然聞かされてなかったサプライズ・ゲスト。韓国の熱狂ぶりであるとか、日韓プレスのイタリアサッカー批判の是非みたいな辺りで、スタジオはヒートアップ。
僕はオンエアでも言ったが、テジョさんは本当に冷静でインテリジェンスにあふれた韓国報道を貫いたと思っている。それにしても今週になってFAXの量がとてつもない。




第6週

2002/6/30(日)
 20時キックオフ、横浜国際、W杯決勝戦・ドイツ×ブラジル。おとついまではまさか自分が決勝を見るなんて思っていなかった。スカパー青海城でスタッフと一緒にこの巨大イベントの最後を見届けるつもりだった。そうしたら小牧さんも考えたもんで、仕事にしやがったんだよ。プレゼンテーションルームという、ガラス張りの中継室を押さえちゃって、僕と金子君を送り込むプランを出してきた。僕は小牧さんには「試合、もういいです。バチが当たります」って伝えてたからさ、これは大会終わって尋ねてみないとわからないんだけど、仕事の形でねじ込んで決勝見てこいってことだったんじゃないかなぁ。スカパーがプレゼンテーションルームを確保できたのは昨日だった。

 おととしだっけ、両親が南米旅行のおみやげで買ってきてくれたブラジルのユニホームを着て横浜国際に到着。プレゼンテーションルームは応接セットみたいなソファのある豪華な場所で、右隣がBBC、左隣がNHKだった。まさか僕と金子君だけじゃどうしようもないので、富樫洋一さん、反町康治さんの4人でチームを作る。まぁ、要するに試合前と試合後、それからハーフタイムに感想を言ったり、カメラに映らない現地の状況を言う役割。僕はこのなかで唯一の放送経験者だから聞き手に廻ればいいけど、金子は出世したなぁ。フランス大会じゃFAX送ってた一般人だよ。それから青海に残った間宮とやりとりがあるって話だったんで、前の日に「西岡アナとか、知らない人のとこにもニコニコ入っていくといいよ。知らない人のなかに入ってかないと、これから現場はやれないよ」と助言したんだけど、結局、出演箇所は自分だけでいっぱいになっちゃって、ワールドカップスタジオのなかで横の広がりを作んないんだ。タレントさんはもっと映ろうとしなきゃダメだなぁ。

 あ、金子が出世したっていえば重大な事件について触れておこう。試合前、僕と金子君がトイレへ寄ったんである。そうしたら番組見てるってファンと偶然、トイレのなかで出くわして、それが頭来るんだよ、俺をさしおいて「金子さん、写真一緒に撮ってもらえますか」だよ。で、まぁ、メインの俺をさしおいてっていうのはまだ我慢できるけど、そこへちょうど後藤健生さんがいらっしゃったんだよ。そしたら金子、「後藤さん、シャッター押してくれますか」だよ。ありえないでしょう。後藤さんにシャッター押させたよ。金子、お前、何考えてんだ。

 試合はW杯史に残る素晴らしい内容。ドイツ×ブラジルの初対決って額面以上に、サッカーの魅力、勝負の厳しさ、それぞれの持ち味が、祝祭性をともなってピッチ上で絵巻物みたいに展開する。ルーズボールを拾い続けてたドイツのペースで試合が進むが、わずかなスキをついてロナウド、クレベルソンが逆襲のシュートを放つ。
ところが、GKオリバー・カーンが神がかりのファインセーブを連発。カーンのカリスマは今大会、十二分に表現された。だけど、そのカーンがファンブルするんだよな。後半、ロナウドが2得点。笛が鳴ってセレソンが大騒ぎするなか、ゴールポストにもたれかかっていたカーンの姿が忘れられない。そこへカフーが行ったんだよ。あれはいい絵だったなぁ、男と男だよ。

 試合後、実況を担当していた倉敷保雄さん、原博実さん、それから記者席から戻られた後藤健生さんと合流、スカパーのワゴンで青海へ移動。いよいよ、最終回だ。一年以上かけてやってきたことの総決算だ。「終わっちゃいましたねぇ」「いい試合でしたねぇ」なんて言いながら最後のW杯ベニューを後にする。僕は何年か前、脳腫瘍で横浜国際競技場のすぐ隣の、横浜労災病院というところに入院していた。窓から競技場が見える部屋だった。あのときパジャマ着てた自分はここでW杯決勝を見るなんて考えもしなかったよな。

 23時入り、スカパー『WCJ』出演。最終回のゲストは後藤健生さん、原博実さん、三浦俊也さん、倉敷保雄さん。本当に番組がお世話になった方ばかりだ。スカパーのW杯プログラムとしても最後の番組。夢のような1ヶ月が終了する。スタジオは何ともいえない暖かな雰囲気につつまれた。素晴らしい決勝戦が、FIFAやJAWOCや現代サッカーの問題点を、今夜だけはすっかり浄化してしまった感じだ。戦評をうかがっても、皆、晴れやかで、そして何とも言えずに寂しいのだった。僕も過ぎてゆく1秒1秒が惜しくてたまらない。こんな楽しい番組はなかった。このチームが今夜、解散するなんてなぁ。もうW杯が終わりだなんてなぁ。

 そうしたらハプニングが起きた。前の番組を終えたキャストが缶ビールを片手にスタジオへ入ってきたのだ。赤坂泰彦、東本貢司、上田滋夢の面々だ。僕は東本さん以外、面識がないわけだけど、ホントにどうしたものかと思った。空気が変わってしまう。何でスタッフは止めてくれないんだろう。これから番組的には最後の仕上げ、魂を入れてやってきた1年あまりの総まとめにかからなくちゃいけない。

 「悪いけど振んないよ。それで嫌だったら出てって下さい」

 オンマイクでそう告げた。僕は番組の進行をしながら目の端で赤坂さんたちを確認する。ふてくされたような様子で、スタジオ奥の椅子に座ってしまった。まぁ、ひっこみがつかないのだろうが、ビール片手の見物である。そのうち、上田滋夢さんという人が、進行している僕のMCに対して「何言ってんだよ、違うよなぁ」なんて茶々を入れだした。まぁ、僕は上田さんに比べてサッカーの理解が足りないのかも知れない。だけど、そんな失礼な真似をされるいわれはない。僕がビール片手に茶々入れられる筋合いのない仕事をしてきたことは、見てくれた人が知っていることだ。それにわからないから仕方ないと思うけど、あなたが今、座ってる席はナンシー関の為にずっと空けておいた席だ。そこにはナンちゃんが座ってるんだよ。
 
 情けないことだけどあんまり腹がたって、時間にして3、4分かなぁ、僕は全然しゃべれなくなってしまった。そうしたら凄いことが起きたんだよ。空気を察して後藤さんと原さんがとんでもない勢いでサッカーの話を始めたんだ。ビデオを持ってる人は見てみるといいけど、ホントに僕がしゃべれなくなった空白を、後藤さんと原さんが景気のいいパス交換で埋めてるんだよ。僕はスタジオ内のスタッフの顔をじっと見て、赤坂さんたちに出ていってもらってくれって信号を発したけど、残念ながらスタッフには伝わらなかった。場を守る為に誰も戦ってはくれなかった。だけど、僕のことをわかってくれる人がいた。1年あまりの日々で、僕はそのことを手柄としよう。

 「CMに行くか、あいつら追い出せ」、手元の紙にマジックで指示を書いて小崎プロデューサーに渡す。画面に映っててそういうことをしなきゃならないところがつらいところだ。CMへ行ったら、直接、僕が赤坂さんたちに話をしようと思った。不愉快に思われるかも知れないが、実際問題、画面に登場したら損をするのは赤坂さんたちの方だ。フロアディレクターがようやく動いて3人がスタジオを出てゆく。この間、後藤さんと原さんのパス交換は最高潮ね。上田滋夢さんは最後までひとの顔をにらんでいた。

 それからスタジオはようやく落ち着いて、グッと締まった感じになり、長い間おつき合いいただいた視聴者とのお別れの時間帯に入った。後藤さんも原さんも、いや、三浦さんや倉敷さんもだけど、俺はどんなに感謝してもし足りない。間宮に話を振ったらいきなりポロポロ泣きだして「W杯に出逢えてよかったです。カマーチョ監督の脇汗も一生忘れません」とか言いだした。間宮は泣くだろうと思ってたけど、そんな言い草か。まぁ、だけど良かったなぁ、赤坂さんたち帰さなかったら間宮が泣く雰囲気もなかったからなぁ。

 ゲストの皆さんが番組を惜しんで下さり、本当に有難い気持ちになった。最後に視聴者にあいさつをした。自分がこの番組を通して得たものを大切にしていること、自分はここで本当に戦ったこと、最高に楽しかったことを告げる。『WCJ』は、まぁ『WCWJ』の頃もあったけど、実はずっと長い間、放映権を買ったスカパーでも唯一、「ワールドカップ」という名前の入った番組なのだった。地上波なんか権利がないから『Wの蹴劇』とかごまかしてたんだよ。俺たちは誇りを持って「ワールドカップ」と天下御免、題された番組をやって来ました。最後の最後までハラハラする展開だったけど、何とかやり遂げられてホッとしています。

 番組後、打ち上げで何はともあれ後藤さんと原さんに謝る。後藤さんと原さんは控え室に引き上げるとき、まぁ、たまたまかも知れないがエレベータホールでハチ合わせした上田滋夢さんを見るや、僕を守ろうとして先に立って、2人で上田さんに話しかけたり、本当に気をつかってくださった。まぁ、逆に言うとそれだけスタッフ不在なんだけど、そのスタッフ不在のおかげで一生の宝物を得たからなぁ。お2人とも「すぐにわかったよ」「あれは違うと思うなぁ」なんて声をかけてくれて、涙が出た。僕がしゃべれなくなった時間帯、猛然とダッシュしてサッカーの話をはじめたところを「あれは凄かったです。ハカン・シュキュルとイルハンの2トップみたいでした」と言ったら、後藤さんは「それ、最高の誉め言葉じゃない」、原さんは「点とるよー」といって笑った。

 いや、今日は本当に長文になって申し訳ない。そうして、ゲストの皆さん、スカパーの皆さん、間宮さん金子君、現場の制作会社の人々、メイクさんやスタイリストさん、つまり『WCJ』チームと僕が呼んできた全ての人と別れたんである。全員と握手した。タクシーに乗り込むと、もう空はしらじら明けはじめてた。




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