蚊の無駄にでかいやつであるガガンボ
(イラストは本文と関係ありません)


2000年9月分
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第4週

2000/09/17(日)

西原理恵子さんのマンガにも出てくるフリー編集者の新保信長さんが本を出した。『笑う新聞』(メディアファクトリー・刊)。新保さんは大阪、梅田の食堂の息子であまりにも町中だったため小学時代の1学年がたった13人。その13人の中で学年トップを通し、見事、灘高→東大に進む。が、やくざなフリー編集業になってしまった為、その学歴が何の意味ももっていない。あと阪神バカ。



2000/09/18(月)
 13時上野発、スーパーひたち27号で茨城県の大甕(おおみか)駅へ。
 日立製作所、電力・電機開発研究所・出海滋工学博士のインタビュー取材。非常にわかりやすく説明してくださる方で、「工業用X線CT」(医療で使われるCTスキャナーの、物凄いやつ。日立は世界最高性能を実現しており、現在、技術的競争相手が存在しない)について勉強できた。出海さんは非破壊検査の、いわば「写真館」を運営する構想を持っており、例えばネアンデルタール人の遺骨であるとか、ロケット燃料電池の構造とか、そういうものを関係省庁や企業をクライアントにして撮影しようとしている。

 出海さんは「職人的知のあり様」に共感していると公言されている方で、インタビューの後半はその部分になった。『変人』という研究誌(そんな名前の研究誌出してる会社、なかなかいいでしょ)に出海さんが寄せた文章を少し引用しよう。今日は本当に面白い取材だった。


 「職人の世界は言葉で技術を伝達しない。掃除や礼儀作法から修行は始まる。仕事の指示か叱るかだけが親方の言葉である。弟子の仕事に対して『ダメだ』とは言うが、なぜダメなのかの説明はない。ダメの理由は弟子が考えねばならない。正解に辿り着くまであらゆることを考えなければならない。失敗を繰り返す。遠回りで非能率的だが、それで弟子は育つ。職人の知の世界は他人が地ならしした知識を言葉を経由して学ぶことではなく、自らの思考がすべてである。自ら問題点を発見し自らが答えを出さねばならない。『教えないと解らない者は教えても解らない』が職人の知の世界である。彼らは問題意識がないくせに机の上で勉強する事を嫌う。机の上で学ぶだけでモノを触ったことのない者を信じない。ここには確かに知の別の姿がある。他人が造った、地ならしの済んだ知識を学ぶことへの軽蔑がある。彼らは過去の失敗が自分にとって最も価値のある財産であることを知っている。
 理工系大学出身者の中に、テスターやオームの法則が使えない人は山ほどいる。知識はあっても物をさわる経験が少なくなっている。彼らの知識は問題意識がないまま頭に詰め込んだものである。その知識は『使える』状態にない。職人の知識は違う。知識を獲得する以前に、『どうしてもその知識が必要なのだ』という問題意識が先行している。彼らは知識に先行して問題点を自ら発見している。したがって彼等は知識を得た直後にそれを使っている。彼等は使える知識しか持たない。」

(『職人―言葉のない「知」の世界―』出海 滋)より抜粋。



2000/09/19(火)
 18時頃、J-WAVE・渋谷HMVスタジオに乱入。
 全然予定外のコーナーからピストン西澤とかけ合いを始める。あのスタジオ、狭くて仕事やりにくそうだな。間仕切りの外が書店コーナーで、他人が無反応に雑誌を立ち読みしてるのを横目で見ながら、何かの罰ゲームみたいなことになってるなあと思う。上がりは完璧。

 19時過ぎ、東京ドームへ移動。日ハム×大阪近鉄。
 到着したときは既に4対0。1回オバンドーの29号2ランで小笠原のリーグ新119得点は達成されていた。今日は120得点まで記録を伸ばし、これからは前人未踏の領域となる。どこまで行くだろう。まったく素晴らしいバッターに成長したものだ。

 今日のヒーローお立ち台は井出(12号ソロをふくむ4安打4打点)。まったくシドニー五輪・野球日本代表はアジア予選のとき井出の世話になりながら本番では「井出以外。出来れば岩本か片岡」みたいな名指しの拒否しやがってさあ。
何というのだろう、今日あたりは「まるで千葉すずに続いてスポーツ調停裁判所に提訴したかのような大活躍」である。東京ドームのお立ち台が、井出のたった一人の金メダル表彰台に見えた、というのはいくら俺でも話のつくり過ぎか。



2000/09/20(水)
 朝日新聞(朝刊スポーツ面)の記事で大相撲、立田川部屋がなくなることを知る。立田川親方が九州場所中に定年を迎える為、陸奥部屋に吸収合併されるらしい。敷島大変じゃん。今、引っ越し準備で大わらわとのこと。最近、レンラクとってなかったのでどういう感じなのか是非話が聞きたい。そうなると陸奥部屋は力士数的には武蔵川、二子山級の大所帯ということになる。今度の親方は現役時代、敷島が出ゲイコで胸を借りた元大関・霧島だ。

 シドニー五輪・野球、日本×イタリアでようやく田中幸雄のバットが火を噴く。ホームランを含む3安打。頼むぜ幸雄!

 もちろんサッカー中継なんて気にせず18時15分、東京ドーム、日ハム×大阪近鉄。近鉄との対戦は今季最後なのでレフトスタンド席の近鉄応援団に声をかけに行く。小林繁投手コーチの奥さんが差し入れを持って来ていた。いやー、シーズンも終わりですなあ。

 今日は珍しく文化放送の水谷加奈アナウンサーが東京ドームに出現、ビールとワインをガンガン飲んで1対8という、パッとしない試合を楽しんでいた。何か今日、『やるMAN』のコーナー出演、昼寝してすっぽかしたらしいよ。通算『やるMAN』すっぽかし3回という大記録を樹立。前人未踏の領域でどこまで記録を伸ばすのか楽しみである。それにしても近鉄・門倉、この終盤へ来て絶好調だな。フォーク切れまくってた。

 サッカーも決勝トーナメント進出、良かったですなあ。



2000/09/21(木)
 BS-1、シドニー五輪・ソフトボール、日本×カナダ。
 規定の7イニングは3対3で終わり、延長戦へ。そのまま8回9回、無得点で進行、10回から「タイブレーク」に入ったのに驚く。これはノーアウト・ランナー2塁からイニングが始まるのである(2塁ランナーは前のイニング、最後にアウトになった打者)。

 これはスローピッチ・ソフトボールでもとり入れると面白いかも知れない。僕らのレベルだと誰が走者になるかに相当アヤがある。シドニー・日本代表チーム見てると平均的に皆、俊足で、ランナー1、3塁の場面でわざと1塁ランナー飛び出して送球を誘い、その間にホームを落とし入れようとかしてるもんな。俺たち絶対ムリ。

 そのタイブレークの10回、決勝点を奪い、日本は予選リーグ無傷の5連勝、メダルを確定した。僕はアメリカ、カナダ、オーストラリアあたりが相手だとバットのメーカー確認したりして、一般の人とは全然違う楽しみ方である。日本代表はミズノばっかりで面白くない。

 今日は柔道の井上康生、怒濤の金メダルゲット、それからバスケット・アメリカ×リトアニアの信じられないような熱戦が見応えがあった。オリンピックなんだかんだ言ってめちゃめちゃ見てる。

 あと、関係ないけど昨日の朝日夕刊(9月20日付)を何気なく見てたら「甘味料チクロ発がん性シロ」という記事が出ていて仰天した。米国立がん研究所グループの長期実験で、チクロ(サイクラミン酸ナトリウム)の発がん性は確認できなかったという最終報告が米国毒性学会雑誌『トキシコロジカル・サイエンス』に発表された由。

 ま、「弱いながらも内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)の可能性がある」そうなので、俺たち小学時代、チクロ食えなくなって良かったのかも知れないが、あの旨かった駄菓子屋のアイスキャンデーを返せ!という想いがふつふつと湧いてくる。ホント、チクロ禁止になって砂糖に切り替わったときアイスキャンデー(エンピツ型で、口のところのビニールをくいちぎってちゅーちゅー吸うやつ)めちゃまずくなったんよ。俺はチクロ好きだ。別れの理由も告げずに消えていった初恋の味、チクロよ、フォーエバー。



2000/09/22(金)
 シドニー五輪・男子柔道、一番楽しみにしていた100キロ超級決勝、世界最強決定戦で篠原信一が負けた。疑惑の判定、山下監督どんくさい等、色んな要素があったが、弁解がましいコメントを一切せず、表彰台で屈辱に耐えていた篠原の姿は胸を打つ。僕はこの選手本当にカリスマがあると思う。

 昨日から正式に陸奥部屋の関取になった敷島と電話で話す。心機一転の良い機会にしたいとのこと。引っ越しも完了して、昨夜は旧立田川と陸奥両部屋の若い衆が親睦を深める飲み会をやったらしい。国技館から一番近い部屋(30秒ほど)になったので、今度、遊びに行く約束。

 うちの奥さんの誕生日なので西浅草、ラ・シェーブルで外食。前沢牛の頬肉の赤ワイン煮絶品。あと今日「榎戸一朗様 令夫人様」あてで「内閣総理大臣・森喜朗」から封書が届く。開けてみると仲人さんからだった。たぶん今度、『ダ・カーポ』で始まる顔真似シリーズの一枚だと思う。特別にスキャナーで皆さんにもおすそ分け。

こんな素晴らしい仲人さんを俺は誇りに思う。



2000/09/23(土)
 今日の話は何年先になるかわからないが、いつか必ず書くと思う。みうらじゅん、渡辺祐と一緒に滝本淳助さんの家へ行く。その後、渋谷で安斎肇、しりあがり寿と合流。朝4時まで。




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