【今までのお話】
第一話 第二話


【第三話 球宴にちなんでの巻】

 都市対抗野球の季節が今年もやって来た。「真夏の球宴」とは普通、オールスター戦のことだが、都市対抗もそう呼ばれることを毎日新聞、スポニチ読者は御存知だと思う。

 1999年の都市対抗には実にさわやかな思い出がある。
 2回戦、松下電器(門真市)×NTT東日本(東京都)の試合だった。内野特別席でふと横を見るとFsドラフト2位ルーキーの建山義紀(#22)がいる。高校時代、Gドラフト1位・上原浩司(#19)を押しのけてエースを張った逸材だ。そうだ、建山は去年まで松下に在籍していたんだった、山口高志や福本豊、潮崎哲也の後輩だったと思い出す。どうも古巣の様子が気になるらしく、オフの日にひとりで応援に駆けつけたようだ。

 そーっと近づいて「あのー、えのきどという者ですが、建山さんですよね」と切り出してみる。俺は正直、物凄くこういうのが苦手だ。そうしたら「覚えてます、去年、入団発表のときいらっしゃいましたよね」と嬉しいひと言。そうだ暮れの全日空ホテル、俺は何だか知らないけど指名されて記者会見で建山に質問していたのだった。

 建山は既にプロで初勝利を挙げており、とりあえず、俺はそのお祝いを言った。それから何となく一緒に松下の試合を見るかんじになり、

えの「うわー、社会人も金属バットだから怖いですよね」
 「今の当てただけですよ(笑)」
えの「フェンスぎりぎりか。よっぽど緩急つけたりしてタイミングはずさないとつらいですね」
 「そうです、詰まっても行っちゃいますからね」
えの「あのさ、建山さんさ、今、当たる例えば近鉄のローズ、クラークと金属バットの社会人とどっち怖いですか?」
 「・・・・・(長考)・・・・ローズ、クラークですね(笑)」

 なんて話しながら一試合見終えちゃったんですな。
 館長(館長だってことを今、思い出した)、実に嬉しかったー。
 何しろ建山投手、昔の知り合いに声かけられて、しばらく向こう行って話して、その後、館長んとこへ帰ってきてくれたんですよ。ナイスガイだ。ショート、田原が大ピンチをファインプレーで救うと「田原さんってこういう人なんですよ」なんて解説までしてくれた。

 ルーキーイヤーの成績は6勝5敗、防御率2.89という上々のもの。今年は監督推薦で堂々のオールスター出場。いや、第1戦で打たれちゃったけどさ、「真夏の球宴」の、ところを変えての出場に僕は感じ入るなあ。今回お見せするのは珍品中の珍品、建山サイン入り都市対抗「松下電器応援うちわ」です。こいつぁ、激レアでしょう。

こんなものを持ってる人間はこの世の中に俺と、ダイキンエアコンの友野君ぐらいだろう(←他にもいるじゃん)



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