相手を決めて野球みたいに毎回表裏があって9回終了の形式。
場合によっては延長戦もあるかも?



今回のゲスト対談者はアイスホッケー選手の春名真仁さんです。


5回へ


6回表
 春名真仁様



 渡米前に書いてく原稿がある上、今週はサッカーの五輪最終予選(日本ラウンド)があって、相当へろへろです。本当はこんなの書いてる場合じゃないんだけど、逃避心理ですね、こっちから先に着手してしまう。

 新しい防具の話を聞かせて下さい。僕と春名君には似たとこがあって、それはエクイップメント好きということですね。僕は(最近すっかりサボってるけど)、スローピッチ・ソフトボールでキャッチャーをやってて、あの捕手用防具ってもんがもんのすごーく好きなんすよ。扮装好きに近い感覚だと思う。あるいはガンダムのモビルスーツとか、何か強くなったような気がするよね。

 自称「モノに執着がある」春名選手にとってエクイップメントとは何ですか? ホッケーって種目自体が防具の印象強烈なんだけど、ゴーリーにとっては意味合いが特別でしょう。今度の防具に関してこだわった点はどういうことですか? あとサッカーみたいな軽装のスポーツとアメリカ由来の防具系スポーツは、プレーヤーの立場からどうなんすか? バッグ重くなって平気なの?(俺は案外重いの好き)。

 僕の見知った範囲だと軽装重装はともかくとして、プレーヤーは皆、道具にこだわりがあって、そのこだわる方向が個性になってる気がします。まぁ、一番シリアスだと思ったのはレーサーの柴原眞介だなぁ。フォーミュラ・ニッポンやってた頃に見学に行ったんだけど、やっぱ命にかかわるからヘルメットとフェイスマスクは誰にも触らせないんだ。レース前、フェイスマスクを丹念に自分でクリーンアップするのが儀式化していた。

 あ、そうだ、あとBucks時代使ってたヘルメットって王冠ついてたでしょう。ホッケーのゴーリーって皆、ペイントが凝ってて面白いよね。どういういきさつで王冠へ行きついたか。他のゴーリーのペイントだったら誰が好きかも教えて下さい。





 えのきどいちろう



6回裏
 えのきどいちろう様



 サッカーはオリンピック決めたようですね。クアッドシティは春らしくなってきたなと思ってたら先日、雪が降りました。すぐまた暖かくなりましたけど東京よりはちょっと寒いと思うので一枚羽織るものが必要だと思います。今回もまた長くなりそうな予感。

何故か今、その新しい防具が僕の部屋に干してあります。実はブリトニースピアーズのライブがあって僕らはロッカールームを追い出されました。でもまだ新しくて臭わないので助かってますがあと1か月もすれば部屋に干す気はなくなります。レーサーの方の話を聞いて二瓶ジロウ(現クレインズ)のことを思い出しました。彼はグラブには神が宿ってるからと他の人にはめさせてはくれません。ジロウ以外のゴーリーでそういうことを言う人にまだ会ってませんけど。僕はそこまで特別に扱っていませんが決して祖末には出来ません。でもジロウは新しいのが来たら古い防具をどうするんだろう?神社に奉納とか。気になります。僕なら心の中で「いままでありがとう。成仏してね。」くらいです。
それと確かに防具ってえのきどさんの言う通り強くなった気になりますね。普段は小心者なのに氷の上だと乱闘も恐くなくなったりします。でもこれってマスクのせいかも。サングラスかけると人が変わるのと同じ類いかもしれません。

今回買った防具は自費で購入するため予算の関係もありフランソアアレール推奨のメーカーにしました。ほんとはカタログであれこれ比較して決めたかったのですが左右グラブと合わせて他のメーカーの半額ほどでしたので。そこは彼がアドバイザリースタッフをしているメーカーでもありますからバタフライ(低いシュートを止める時にパタパタと膝を氷につけるスタイル)向けのモデルになってます。レガースに関しては僕の中で候補が3つほどあったのですがそれは候補の一つだったので妥協したわけではありません。僕はレガースは薄くてまっすぐ立ってるのが好みでここのレガースは僕の理想にかなり近いです。ぼくが一番こだわった点は両膝の内側部分(正面部分ではなく)が肉厚でバタフライした時に完全に氷に密着してさらに左右のそれが接することです。ちょっと口で説明するのは難しいですがこうなっていることで氷を這うシュートが来てバタフライした時にたとえレガースの正面やスティックに当たらなくても股間をパックが抜けません。実はこういったレガースは多くのメーカー、モデルの中でも候補に挙がった3型くらい(ほとんどはレガース自体は左右が接触しても左右の膝の内側部分のパッドが接触しない)しかないのです。僕が今シーズン使っていたオレンジ色のものはそうなっていなかったので僕は自分で改造してパッドを付け足していました。
それとは別にバタフライのあとすぐ氷を蹴れるようにつま先を内側に1インチオフセットして貰い、レングスも本来であればサンプルを参考に膝下、膝上の長さを変えたりしたかったのですがサンプルを取り寄せる時間がなかったのでそちらはあきらめした。結局今までと同じ長さ36インチでオーダーしたのですがやはり靴などと同じようにメーカーによって多少バラ付きがあるため理想より若干長かったです。短いよりはいいのですが次に頼むとすれば膝上をそのままに膝の位置を1インチ下げたいと思ってます。それ以外に不満はなく従来より軽いこともあってとても使い易くて気に入ってます。

カラーリングも楽しみの一つなのですが今回は来年(どこでプレーするか分からないので)の事も考え、無難な黒を主体にエンジを少し使いました。あまり面白みはないですがチームメートの評判は良いです。でも子供にはオレンジのほうが受けてたかも。

キャッチング、ブロッカーに関しては特別なオーダーはしてません。キャッチングは手首の角度が今までのモデルと多少違ったのですがすぐ慣れました。キャッチングにこだわるゴーリーは多くてそれだけは別のメーカーを使うという人も見かけますが、僕にとってはレガースほどのこだわりはありません。軽くて深めが好みくらいです。
ブロッカーはどのメーカーも大差ないのでほとんどの人はレガースかキャッチングのメーカーに合わせていると思います。でも僕は以前のブロッカーで人さし指の付け根を何度も痛めていたのでそこがしっかり守られていることだけは確認しました。届いたブロッカーは多少重かったので中のプラスティックの板を取り除き軽量化をはかりました。ほんの何十グラムでしょうけどその差でセーブかゴールか違ってくるような
気がします。

ゴーリーの防具は基本的には身体を守るものです。どれか一つでも欠けると僕は恐くてパックの前に立てないでしょう。しかし防具がパックをセーブするための道具となってることも否定できません。僕のレガースがまさにそうですしブロッカーなんか名前からしてそのためのものです。たしかルールブックには防具はセーブするためのものであってはならないみたいなことが書かれていたと思います。それでNHLではここ数年失点が大幅に減っているため防具のサイズを小さく規制しています。来期は更にレガースの幅が2インチ狭くなるそうですがまだ膝内側のパッドには規制はないようです。世界選手権等でも大会前に防具のサイズをオフィシャルが測定し、試合後も抜き打ち検査をしてました。(その時に無造作にOKというサインをマジックで書くのだけはやめてほしいんですけど、、)しかし得点の減少は防具の問題だけではないと思います。実際、サイズ規制後も得点の数はそれほど変化しませんし、むしろここ最近の得点減少の原因はゴーリーの技術の向上と守りのトラップシステムの導入によるところが大きいのではないでしょうか。

防具バッグは確かに重いですね。サッカーとは量が違います。僕は今回の渡米に先駆けてまずキャスター付きのバッグを買ったくらいです。何キロあるかは正確には分かりませんがスケートもいれると20キロ以上はあるでしょうね。ただ分散して着けるのでプレー中にそれほど重いとは感じませんが、試合後汗を吸った防具を入ったバッグはかなり重く感じます。ぼくは非力なので決して好きにはなれないですね。NHLやAHLでは選手は一切防具の移動に携わらないと聞きました。それらのためにトランスポーターがチームで雇われていて選手はバッグに触ったり防具を干したりすることはないようです。当然バス移動もなく彼等は何も持たずにスーツ姿でやってきてスーツ
姿で帰ります。日本のプロ野球やJリーグも同じだとは思いますけど。

マスクはその王冠のバックス時代のモノをいまだに使っています。もう5年目ですね。デザインよりも顔型をとって作ったものなので既成のものと違ってフィット感が良いので手放せません。デザインの王冠は恥ずかしながら氷の上の王様になりたいなあ、、、なんて考えましたけど。ちょっとバスキアの影響もあります。サイドは盾になっていてこれもゴールの盾になりたいなあ、、、って意味です。あまり他のゴーリーのマスクをじっくり見てないですけど、西武鉄道時代の菊池直哉(現コクド)のマスクは左右に特急小江戸号と黄色の普通列車、そして社訓が書かれていて笑いました。もし誰かデザイナーを選べるとしたら次は大友克洋さんに書いてもらいたいですね。アメコミっぽく。でもアメリカでなら浮世絵とか漢字のほうが受けそうですけど。





 春名 真仁


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